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THE BIG ISSUE

2007年12月17日 09:57

ビッグイシュー突破する人びと―社会的企業としての挑戦ビッグイシュー突破する人びと―社会的企業としての挑戦
(2007/06)
稗田 和博

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ビッグイシューについて書かれた本。

僕がよく利用する国立駅でもたまに見かけるビッグイシューの販売員。
見た目は言っちゃ悪いけどホームレスそのままで、ビッグイシューを片手に一日中ずっと立って販売を行っている。僕はまだ買ったこと無いけれど、急ぎ行くサラリーマンの流れの中で何人かの人が立ち止まり、ビッグイシューを買っている姿を見かけたことがある。
それは、機械のように人を吸い込んでいく改札の近くでひときわ心温まる風景だった。

『ソーシャル・アントレプレナー』
が話題になっている今、この「THE BIG ISSUE」は草分け的な存在として日本に入ってきた。
ホームレスである販売員達が自ら仕入れてそれを売る。販売員達に経済機会を与えるだけじゃなく、一人の事業主として販売員を扱い、市場原理まで見につけさせる。
システムはいたってシンプルだが、非常に含蓄豊かだ。
「社会的弱者にボランティアで貢献する」というボランティア完成が豊かな日本の中で、ただのボランティアではなく、自ら稼ぐ機会を与えるビッグイシューは他の雑誌とは違う。

ビッグイシューの素晴らしいところは、社会復帰の支援をする媒体が雑誌であるということだと思う。雑誌自体がいろいろな社会問題を発信できて、それをホームレスの人たちが売る。販売員の人たちも自分達も雑誌を売りいろいろな社会問題を訴えているという自信を持って販売することができるし、購入者もチャリティーではなく雑誌自体を目的として購入し、双方の利益が継続的に続く。ホームレスと購入者、日常生活では決して交わることがなかった(むしろ、避けていた)関係から、雑誌の販売を通して会話を交わしたり、友情が生まれたり、そういうあたたかい関係まで作り出している雑誌ってほんとにすごいなと思った。

本の後半にも書いてあったけれど、僕達若者はホームレスについて「自業自得だ」とか「なまけていないで、仕事をすればいいじゃないか」と考えがちだと痛感した。この社会構造の中からあぶれるとはどういうことなのか。一度弾き飛ばされた人がもう一度社会に戻っていくのにどれほどエネルギーを使うのか。そういうことに考えが及ばなかったことに激しく反省した。

今日本に横たわる社会問題はどこから発生するのか。本当に自業自得という言葉で表してしまってもいいのだろうか。少なくともそうではない問題まで、そうやって揶揄されている現状であることは確かだと思う。
ケインズ経済学崇拝の終わりによる混合経済の終焉、それと共に始まる新自由主義的政治。強いものが勝つという世界の中で、それらの時代の潮流によって必然的に社会から弾き飛ばされる者達もいると考えるのが普通であろう。それを一言で「自業自得」と言うことなんてできない。

見渡してみても、現代社会には数多くの社会問題が横たわっている。
ニート
ひきこもり
ホームレス
ネカフェ難民
どれも「自業自得」で片付けられかねない問題だ。

こうした問題も「THE BIG ISSUE」のように大局観で解決できる道を探っていかなければいけないと思う。


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