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『インクス流!』

2009年02月09日 00:15

インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべてインクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて
(2003/08)
山田 真次郎

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「我々は、十五歳で三井金属に入った石井さんが四十五年かけて体に叩き込んだ神業を、二年半で分析し、誰にでも再現できる技術に落とし込んだ。そのことによって、日本でもトップレベルの金型職人だったことを誇りに引退後の生活を楽しんでいた石井さんの人生を否定したような悲しい気持ちになった。石井さんが誇りとしていた四十五年の蓄積を、価値のないものにしまったような気がした。しかし、石井さんの四十五年の経験に根差す暗黙知がない限り、マニュアル化された形式知は生まれなかったのである。進化とは残酷なものである」本文中より。



インクスがいかにして誕生し、そしてその強さがどこにあるのか。製造業の常識を覆し、圧倒的な成果を上げ続けるインクス。大企業を40歳にして退職しインクスを立ち上げた社長山田氏による、その秘密を解き明かした1冊だ。

本書の表紙には「インクス流!」と大きく書かれており、本書は、何が一体インクス流なのかをふんだんに説明している。それは、日本の製造業の問題点から始まり、その日本の製造業の競争力をどうして高めていくか。社長自らの高い志が非常に伝わってくる。

日本人技術者の神業的技能は、日本の製造業の強みであった。職人芸の連鎖が生む競争力。日本の製造業はこうした神業的技能を有する技術者の技能を担保として世界の中で競争力の優位性を築いていたのだ。
一方、そんな日本に負けじと、世界各国は技術力を高め、科学技術の発達とともに高性能な機械が出現し、日本の技術者と競うほどの出力性能を持った機械が出現する。
そういった中でも日本は技術者に頼って世界と競争する。そういった強みが、逆に日本の製造業の変革を妨げていたと著者は指摘する。

日本最も優秀な技術者は、自分の経験を暗黙知という名のもとに駆け込み、技術という形式知に落とし込んでいかない。そういった原因は、技術者は自らの暗黙知を形式知に変えていくボキャブラリーを持っていないことにも原因がある。

そういった中で、山田氏が立ち上げたインクスでは、引用で取り上げた石井さん始め、優秀な技術者の工程を分解し、長年の経験を積んだ熟練者の腕と勘に頼っている工程の分析に踏み込む。

工程を「判断」と「作業」に細かく分け、機械のプログラムに落とし込む。
「作業」部分であれば、やり方がきまっているので、ITや要素技術で対応することができるからだ。そして更に工程を分析し、「判断」を行う個数を極力減らしていくのだ。

例えば「しっくり」という言葉。何が果たしてしっくりなのか。これをひとつひとつ数値まで落とし込んでいくのだ。

「目標は意思」と意思を持って目標に取組みインクスはこれまで製造業の中での様々な常識を破ってきた。技術的な暗黙知が減少してくる現代、その表裏としてIT暗黙知が上昇してくる現代。これからの製造業もインクス流が牽引していくだろう。
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