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『会社の値段』

2009年05月07日 11:09

会社の値段 (ちくま新書)会社の値段 (ちくま新書)
(2006/02)
森生 明

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「「実際には株主が目の前の金儲けに目がくらんで正しい判断ができないから困っているのだ」と企業防衛論者は言うでしょうが、そこに問題の本質があります。こういう人たち(主に経営者自身ですが)は株主投資家の判断力を信用していない、自分たちの判断が株主投資家の判断より優れている、と理由も示さず断じています。経営者の本音が、「株主には正しく会社の値段を判断できない」にあり、「そういう株主にいちいち説明、説得するのには手間がかかるから即効性のある撃退策が欲しい」と言っているとしたら、この経営者の傲慢さは保護されるべきなのでしょうか?こう問いを変えてみれば答えもずいぶん違ってくると思います」本文中より。


簡単な数式なども織り交ぜながら、企業の値段(株主価値)を算定する方法を紹介し、また、国内外の企業買収を比較して、日本的なM&A、そして日本らしい企業価値の評価とは何かを解いていく本書。非常に単純明快で、こういった財務の知識がない方でも面白く読むことができるのではないだろうか。

■買収者の「自分が経営すればもっと価値をあげられる」という主観を具体的に数字に反映することができる点がDCF方式の本領発揮の場
企業の値段を算定するとして、その企業が将来稼ぎ出すキャッシュ・フローを現在価値に割り戻してそこにふりかけをまぶしたようなものが基本的には企業の値段になる。このはじき出し方であるということは、自明的に将来の価値を担保に取るということであり、近似できるとしても精密に計算した値が必ずそうなるとは限らない。企業価値を算定する数式などはあるが、それらが存在しているのは、算出方法が複雑精緻で客観的合理性があるからではなく、むしろ逆だと著者は述べる。著者は外資系投資銀行に勤務する中で、すぐれた経営者が買収対象の企業を見て直感的に買収価格を算定するのを多く目にしてきたと言う。この直感を検証し、社内のメンバーや株主を説得し、相手との交渉の材料に使えるものにするところがDCF方式の役どころだという。

引用に用いたように、頭ごなしに買収などに対し敵意を見せるのは、より良い企業経営に対して消極的な姿勢だと見られてもしかたがない。
買収の話があるにせよないにせよきちんとしたIRを行い、本業の経営で株主をなおざりにしない経営者像というのは今の日本の企業からは少し遠いような気がした。
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