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『会社は頭から腐る』

2009年07月08日 21:37


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「大組織、一流企業の失敗とは、所詮、「その程度」のものなのだ。上司に怒られ、左遷されるだけですむなら、中小企業の経営者からすれば、鼻で笑ってしまう程度のものであろう。そんなことは社会全体で見れば、どうでもいいような誤差の範囲の話だ。世の中にどれくらいのインパクトをつくれたか、これこそが真の社会のリーダーには問われるのだ。
本人たちは真剣に一生懸命頑張って、努力をし、競争をしているつもりかもしれない。しかし、大局的に見れば、ある種、バーチャルな世界で戦っているように見える。リアルな戦いはやっていない。所詮、社内の戦いなど、本当の殺し合いではないからだ。申し上げておきたいのだが、私は、今どきの大組織にいる人たちを非難したいのではない。その「甘さ」をしっかり指摘しておきたいのだ。自分たちが経験しているガチンコは、まだまだ甘い世界のガチンコだということを、理解し、認識しておいてほしいと思う」本文中より。


以前にも『指一本の執念が勝負を決める』でレビューを書いた冨山氏の著作。
元産業再生機構のCOO(最高執行責任者)だった冨山氏が、彼の20年にも及ぶコンサルタントとして、そして産業再生機構での修羅場とも言える経験を振り返って書いた、「現場」から日本経済への提言と言える。
彼の考えはものすごくボクの嗜好に合っているため、非常に面白く一気に読み切った。

次世代のリーダーに向けた強いメッセージを送っている一方で、全体を通して語られる、「インセンティブと性格」についてのテーマはボクも一度考えたことがあり、非常に興味深かった。
ボクの大好きなコンサルタントの方が「インセンティブからの独立」を大きなテーマに掲げておりそういったお話をお聞きしたことがある。
人間は何事もどのような形であれ、インセンティブの下に活動をしており、縛られる。そしてそのうちインセンティブという変動しうるものが絶対であるかのように見間違えるのだ。
インセンティブの下活動すること自体を悪というわけではないが、インセンティブは他人からも与えられ得るものだ。要するに恣意的になり得るものなのである。
「性善説でもない、性悪説でもなく、性弱説である」という彼の言葉が非常に心に残った。
こういったインセンティブを盲目的に追いかけること、こういったことの危なさを以前感じたのだが、冨山氏もインセンティブの問題を非常にデリケートに扱っていた。特に産業再生機構の組織作りでは、間違ったインセンティブへの方向付けがなされないように組織の全員のことを考えている。やはり彼は経営者としても優れていると思った。

「会社は人」と言う冨山氏。
会社はもともと人間を幸せにするための手段であったにも関わらず、それがいつからか人間が会社の奴隷になってしまった。
彼の危惧、そして未来への希望についても、ここに集約されると思うが、企業と言うシステムと私たちの関係性も、インセンティブと共にこんがらがっている。
彼の「現場」からの提言はそのねじれた関係に気づかせてくれる生の声だ。
不確実なヒトが介在する不確実な企業というものの捉え方を深く考えさせられる一冊。
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