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文庫本の価値

2011年02月21日 23:51

ハードカバーではなく文庫本を買う理由は人によって様々だと思うが、文庫本はタダ安いという点においてだけ意味のあるものではないということはココにきちんと宣言しておきたいと思う。

というのも、ボクは文庫本を買う際、巻末の解説を楽しみにしていたりする。

より著者のことを知っている人や文学的にも詳しい人が解説を書いているので、読み方で適うわけがないのですが、解説の書き方が優れているから面白いというよりは、解説を読む事で、自分が何百ページも一生懸命読んで体験した視点と違った視点を得る感覚を楽しんでいたりする。

解説という、自分の読書体験とは違う視点を手に入れてから、また本文をちらちら見返して、解説で書かれていた視点を追うといった本の読み方をしている時も多いです。


漠然と楽しんでいた文庫本の「解説」ですが、佐々木さんの『キュレーションの時代』を読んで、漠然と思っていた楽しみの構造が分った気がします。
それは「視座」という考え方。他者の視座から世の中を見る事で、日頃経験している世界も全く別のものに見えてくるという楽しさ。
そして、それだけではないんですよね。更には自分自身と解説者の視点のズレから色々と考えが膨らんでくる。
文庫本恐るべしです。安いのに。二度美味しい。


キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
(2011/02/09)
佐々木 俊尚

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コメント

  1. 一ファン | URL | -

    そういう楽しみ方もあるんですね。
    確かに、作家さんが書いた解説は、
    表現がきれいだったり、自分と感じ方が違ったりで面白いですよね。

    少し話がずれるかもしれませんが、
    本を読もう、買おうと決心するときはどんな時ですか?

    私は例えば、旅行のガイドブックを買うとき、
    同じような値段、同じような内容のものがあると、
    迷ってしまいます。

    実際に欲しい情報があるか、レイアウトが見やすいかなど、
    自分の経験を踏まえて一つ一つ吟味するのですが、
    男女の脳の違いなのか、男の子にどっちがいいか聞くと、
    パッと使えるほうを選んでくれます(個人差もあるのでしょうか)。

    普段からものの見え方が違うんだなと思うと不思議でもあり、
    おもしろくも思いました。
    私は女性でよかったと思いますが、男子脳も欲しいですね。

  2. izu | URL | -

    Re: タイトルなし

    本を買う時は、けっこう直感で買っちゃいますね
    (ガイドブック等は特に)

    あまり完全性を求めないのではないでしょうか。
    さしあたり、地図が欲しいとか、今回の度はグルメ中心だとかで、
    その欲しそうな情報が載ってたら、後は直感ですぐ選んじゃいますね。

    ボクは、女性のマルチタスクな考え方が欲しいですね。
    女性は、いつも並行して色々と考えられる気がします。切り替えも上手い気がします。
    男性は、ひとつのことが気になってしまうので、上手くいかないと、どこか引きずってしまいますし、モノタスクな印象です。

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